さあ、今日はすき焼きだ!と材料を用意しながら、ふとよぎる「副菜、どうしよう?」という思い。すき焼きだけでも十分ご馳走ですが、副菜が何品かあると食卓が華やかになり、ご馳走感が増すこと間違いありません。
今回は、すき焼きに合う副菜を「ハレの席に合う副菜」「お馴染みの副菜」など、シーン別に紹介します。また、副菜とともに用意したいデザートも、まとめました。
すき焼きを引き立てる作り方のコツや、ちょっとしたアイデアを中心にまとめています。食卓を囲んだ人から「美味しそう」「すき焼きに合いそう」と言ってもらえる副菜を、ぜひ見つけてみてください。
名店の一品をヒントに!ハレの日に作りたい副菜4選
お祝いや人が集まる席にすき焼きを合わせるなら、副菜にも気を配りたいもの。見映えがする副菜を用意すれば、ハレの食卓がもっと華やかに盛り上がります。
張り切って作りたい日のすき焼きに合わせたい副菜を、4つ紹介します。
前菜の盛り合わせ
和食では、前菜の盛り合わせを「八寸」「口取り」といいます。料亭で食事をすると、大きなお皿に素敵に盛り付けられた前菜が提供されますね。あれが、八寸(口取り)です。
家庭でも、ちょっとした工夫で料亭のような前菜を提供できますよ。
用意するものは5~6種類の前菜と、大きめのお皿。角皿を選ぶと、料亭の雰囲気が増します。
前菜は、簡単なメニューで構いません。ごま和えや野菜の素揚げ、お刺身・たたき、みそ田楽など、シンプルな料理を用意します。
副菜が用意できたら、少量ずつ盛り付けましょう。盛り付けのポイントは、次の2点です。
- 奥に行くほど、高くする
- 奇数メニューで盛り付ける
前菜を器に入れて置くと、簡単に高さを出せます。奇数メニューで盛り付けるやり方は「奇数盛り」といい、料理を見映えよく見せてくれる手法です。
刺身・握り寿司
意外と喜ばれるのが、刺身やお寿司です。すき焼きはお肉がメインになるため、魚や酢飯は「さっぱりする」「目先が変わり、食欲が増す」と好評なよう。すき焼きの“ご馳走感”を増してくれる、名わき役でもあります。
白身の鯛と、赤身のマグロを中心に用意してみましょう。紅白の色合いが、茶色くなりがちなすき焼きに彩りを与え、華やかさをアップしてくれます。
握り寿司なら、おなじみの魚はもちろん、牛肉の握りもおすすめ。新鮮な牛肉をたたきにして握っても良し、薄切り肉を軽く焼いてステーキ握りにしても良いでしょう。
本わさびとおろし金をテーブルに用意し、おろしたてのわさびをつけられるようにする演出も素敵ですね。食事が盛り上がり、風味も良いといいことづくめです。
カルパッチョ
テーブルの華やかさを増したいときには、魚をカルパッチョにしてみませんか。カルパッチョとは薄切りにした魚介類に、オリーブオイルやチーズ、ソースなどをかけて頂くイタリア料理です。
カルパッチョにおすすめの具材は、サーモンやタイ、ブリなど。タコや生ハムもよく合います。薄切りにした魚介をお皿に並べたら、上からオイルやソースをかけましょう。
カルパッチョを華やかに見せる役割は、野菜におまかせ!色鮮やかな野菜を選んでくださいね。パプリカや紫たまねぎ、クレソン、ベビーリーフを合わせると、一気に主役級の存在感です。
茶碗蒸し
茶碗蒸しも、あると嬉しい一品ではないでしょうか。口の中でとろける卵とだし汁が、すき焼きの脂を流してくれます。子どもからシニアまで、誰にでも喜ばれる鉄板の副菜です。
ハレの日の茶わん蒸しは、器にこだわるのがポイント。普段は仕舞っているお気に入りの器を出してきましょう。
「茶碗蒸し用の器がない」、そんな方もご安心ください。茶碗蒸しは、耐熱性で深さがある他の器でもつくれます。
マグカップや湯呑、小鉢、丼でもOK!ル・クルーゼのハート形ココット(ラムカン・ダムール)をお持ちなら、ぜひ茶碗蒸しに活用しましょう。カラフルでかわいくて、驚かれること間違いなしです。
いつもの副菜も大活躍!家庭のすき焼きに合うメニュー3選
すき焼きは、砂糖と醤油の甘辛い味。私たちになじみ深く、そしてどのようなメニューにもマッチする懐の深い味です。
「すき焼きに合う副菜とは…」と悩む必要はありません。“いつもの作りなれたメニュー”が、すき焼きにもよく合います。
普段の食卓で活躍するメニューから、とくにすき焼きの副菜におすすめの料理を3つ、紹介します。
スープ
すき焼きの出来上がりを待つ間に一口、すき焼きを食べながら一口…と、あると嬉しい存在がスープです。すき焼きの脂を流す役割も、果たしてくれますよ。
<すき焼きに合うスープの例>
- まろやかな卵スープ
- さっぱりとしたわかめスープ
- 具だくさんの野菜スープ
- 子どもも嬉しい豆腐スープ
- 和風に仕上げるならお吸いもの
味付けは中華だしやコンソメ味など、自宅にあるものでOK。すき焼きに使った具材の残りを入れれば、フードロスも減らせます。
サバのみそ煮
「すき焼きとサバ!?」と、意外に思うかもしれませんね。しかし、「すき焼きのタレ+サバのみそ煮」は、大手調味料メーカーの公式サイトがレシピを紹介する組み合わせです。また、「サバすき焼き」という料理があるほど、相性もバッチリ!
みそ煮にするサバは、生と塩漬けのどちらでも構いません。生サバは釣ったサバをそのままさばいてあるため、身がふっくらしています。一方で塩サバは水分が抜けており、うま味がギュッと濃縮されているのが特徴。好みに合わせて使い分けてくださいね。
サバのみそ煮は、ごはんが進むおかずです。すき焼きにちょっと飽きた人や、ごはんをもっと食べたい人に出すと、喜ばれますよ。
大根サラダ
副菜の定番ともいえる、サラダ。すき焼きに合わせるなら、大根サラダがおすすめです。大根には「プロテアーゼ」というタンパク質分解酵素が含まれています。すき焼きの牛肉の消化を助けてくれるため、胃もたれしにくくなるといわれます。
大根を生で食べる際は、葉に近い部分を選びましょう。大根は根に近いほど辛味が強くなるためです。葉に近い上の部分なら、辛味を感じず美味しくいただけます。
また、繊維と平行にカットするのもポイント。繊維に沿って切ると、シャキシャキの触感が際立ちます。カットした大根は5分ほど冷水にさらしてから使いましょう。
最後に、フライパンでカリカリに炒めたちりめんじゃこや油揚げを乗せると、いろいろな触感を楽しめる一品になります。
さっぱり系も欠かせない!簡単にできる箸休め系副菜3選
すき焼きに欠かせない副菜といえば、さっぱり系の料理!箸休めになり、また食欲をひきたててくれる3品を紹介します。
浅漬け
野菜を切って、漬けるだけ!ぱぱっと作れる割に、あると嬉しい存在が浅漬けです。
基本の作り方は、とても簡単です。野菜を食べやすい大きさにカットし、野菜の重さの2%程度の塩を加え、良く揉んで冷蔵庫においておくだけ。好みで昆布を加えても、風味がアップします。
ワンランク上の浅漬けをつくるなら、旬の野菜にこだわってみましょう。浅漬けは、素材の味をそのまま味わうからこそ、旬を何より楽しめるはずです。
また、「ニンジンとキャベツ」「きゅうりとトマト」「カブとカブの葉」など、色の組み合わせを工夫すると、食卓で映える存在となりますよ。
酢のもの
酢はさっぱりとした味で、口の中を瞬時にリセットしてくれます。また、酢は唾液の分泌を促し、食欲を増進させる作用も持っています。すき焼きに酢の物を添えるのは、箸休めにも箸を進めるのにも理にかなった組み合わせです。
酢のものの調味には、二杯酢と三杯酢があります。好みに合わせて、使い分けましょう。
- 二杯酢:酢+醤油(塩)がベース。だし汁を加える場合もある
- 三杯酢:酢+醤油+砂糖(みりん)。甘味がある調味酢
定番の酢のものといえば、きゅうりとわかめの組み合わせですね。これをベースに、カニカマやちくわなどの練り物を加えても、タコやエビなど魚介を加えても良いでしょう。
みょうがや大葉といった薬味を加えると大人の味に、お子さん向けなら蒸したササミやツナもおすすめです。
マリネ
マリネは、食材を酢やワインからつくられた調味液に合わせていただく料理です。オリーブオイルや白ワインを使っており、浅漬けや酢のものとは異なる風味を提供できます。ハーブやペッパーを使えば、大人向けの前菜にもピッタリ!
基本のマリネは、オリーブオイル(1)と酢(3)、砂糖(1.5)を合わせ、塩とペッパーで味を整えます。
※(かっこ)内の数値は割合をあらわします
できた調味液に、お好みの野菜を和えれば完成!定番の野菜のほか、焼き野菜をマリネにしても、ビーンズ(豆)やひじきを加えても、美味しくいただけます。
すき焼きの具材を副菜にアレンジ!食材を余らせない工夫3選
「すき焼き用に用意した具材があまりそう!」、そんな時は具材を副菜にアレンジしましょう。すき焼きで定番の具材を、副菜に仕上げるアイデアを紹介します。
しらたきを使って→甘辛炒め
しらたきは、「煮る」イメージが強い食材。ただ、実は炒め料理にしてもおいしくいただけます。しらたきを炒めると内部の水分が抜け、プリプリの食感に!味染みもよくなり、とくゆうのにおいもなくなって、良いことづくめです。
しらたきを食べやすい大きさに切ったら、ごま油で炒め、水分が抜けたところで甘辛い味付けにしましょう。千切りにした人参やごぼう、ネギを加えると風味が良くなります。
お子さん向けにはベーコンやツナとの組み合わせもおすすめです。
春菊を使って→ナムル
すき焼きに欠かせない春菊。ただ、一束買っても食べきれないケースもあるのではないでしょうか。
あまった春菊は、ナムルへのアレンジがおすすめです。ナムルはゆでた野菜をごま油と醤油・塩、にんにくなどで味付けした韓国起源の料理です。鶏がらスープや塩昆布を加えると、風味豊かなナムルになります。
春菊のナムルの作り方は、とても簡単!4センチくらいに切った春菊を茹でて冷水にさらし、水気を絞って味をつけるだけです。
根元のほうが茹で上がるまでに時間がかかります。お湯には根元から先にいれましょう。水気は手でギュッと絞ります。調味前に箸でほぐしておくと、まんべんなく味が行き渡りますよ。
豆腐を使って→ゴーヤチャンプル―
もし豆腐が余りそうなら、ゴーヤチャンプル―はいかがですか?ゴーヤの苦みが、甘辛いすき焼きにアクセントとなってくれます。豚肉を使うため、すき焼きの牛肉とは違った味を楽しめるのもポイント!
豆腐は角切りにして水気を切り、焼き目がつく程度に炒めておきます。焼豆腐を使う場合は、水きりだけでOKです。
薄切りにしたゴーヤと豚肉を炒め、火が通ったら豆腐を戻します。全体を混ぜたら溶き卵を回しかけて、味をつけましょう。味付けは醤油が基本。顆粒だしを加えると、手早く美味しさをアップできますよ。
食後にもこだわりたい!すき焼きに合うおすすめデザート4選
せっかく、副菜にまでこだわったすき焼き。デザートも用意して、最後まで嬉しさ満点の食卓にしてはいかがでしょうか。
すき焼きの日に用意したいデザートを、4選紹介します。
アイスクリーム
アツアツのすき焼きの後に、冷たいアイスクリームは最高の組み合わせです。お取り寄せしたアイスクリームや、ハーゲンダッツ、サーティーワンアイスクリームなど、ちょっと特別感のあるものが良く合います。
アイスクリームディッシャーで丸くすくってお皿に乗せれば、お子さんも大喜び!チョコレートソースやジャム、シリアル、あんこ、生クリームなど、さまざまなトッピングを用意しておくのもおすすめ。パーティー気分が食後まで続くでしょう。
チーズ
フランス料理では、食後にチーズが提供される場合があります。「フロマージュ」と呼ばれ、デザートの1品目という位置づけ。シェリーやカルヴァドスといった、甘めの食後酒とともに、いただきます。
この習慣を踏まえ、すき焼きのデザートにチーズはいかがでしょう。小さく切ったチーズ数種類をお皿に盛り合わせてお出しします。ドライフルーツやナッツ、クラッカーを添えても本場感が生まれます。
大人向けには、このタイミングでお酒の種類を変えても素敵です。甘口ワインのほか、すっきりとまろやかな日本酒もよく合います。
フルーツ
定番のデザートなら、フルーツでしょう。フルーツで締めると、食後にすっきりとした清涼感が残ります。気持ちよく食事を終えられ、印象の良い食事会になるはず。
フルーツに一工夫して、デザートとしてのレベルをランクアップさせましょう。華やかさを出すなら飾り切りや盛り合わせがおすすめです。
細長いガラス容器にクラッシュゼリーやクリームと組み合わせた、プチパフェも歓声が上がること間違いなし!ミルク寒天にしたり、ヨーグルトとフローズンにしたりと、自由なアレンジを楽しんでくださいね。
アイデアの数だけバリエーションが広がるのも、フルーツの魅力です。
チョコレート
すき焼きにチョコレートを合わせるなら、カカオ分が多めのものがおすすめ。ほろ苦い味わいが、すき焼きの最後をしっかりと締めてくれます。
オレンジピールが入ったチョコレートは、甘味とフレッシュな香りのバランスが◎。フルーツとチョコレートを合わせたチョコレートフォンデュも良いですね。
チョコレートそのもの以外にも、チョコレートケーキやチョコレートアイスもおすすめです。
まとめ
すき焼きの割り下は、日本人になじみ深い甘辛い味わい。基本的に、どのような副菜も良く合います。手元にある食材や一緒に食卓を囲む人の好みを踏まえ、自由な発想で組み合わせてみてください。
迷ったら「さっぱり系」の副菜を加えると、失敗しません。デザートにもこだわると、コース料理のような楽しみ方もできます。
副菜にこだわったところで、メインのすき焼きもランクアップさせたくなったら、熊本加茂川のすき焼き用牛肉をお試しください。九州の広い大地で伸び伸びと育てられた牛を、一流の目利き人が選び抜き、使いやすいセットに仕上げています。「くまもとあか牛」をはじめ、最高ランクの和牛からとれたすき焼き用の牛肉を、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。